「ハイレゾってどうなったの?モノ作りの必要な視点と価値について」

ちょっと前かもしれませんが、ハイレゾってご存知でしょうか?

 

ハイレゾ(High Resolutionは直訳すると高解像度という意味で、

ハイレゾ音源は原音に近い状態でデジタル化した音源のことで、

CD音源より高音質の音源になります。


2013年にハイレゾ対応のウォークマン「NW-ZX1」がソニーより発売されたのがきっかけで一般的にハイレゾの認知が始まりました。

(ハイレゾ音源やハイレゾ対応オーディオ機器はそれ以前からあり、一部の人には受け入れられていました)

 

そんなハイレゾは販売当初はすごく売れたようで話題になりましたが、

結果的には今でも知らない人は多く、普及したとまでは言えない状態だと思います。

 

ハイレゾは上手くいけばいわゆるイノベーションを起こすほどの、

ポテンシャルを持ったものだったと思います。

実際にAppleもハイレゾ音源の配信に取り組みましたし。

 

しかし、音楽業界に大きな変化をもたらすまではいきませんでした。

 

この結果になったことは色々な要因があると思います。

ですが、僕はシンプルにお客さんが見えていなかったからだったと思っています。

目次

ハイレゾの技術はすごいが、良さがわかりにくい

僕は音楽好き(一応、以前バンド活動をしていました)なのと、

ウォークマン好きであったためハイレゾにはすごく期待していました。

しかし、実際に視聴してみると謳ってるほど良さがわかりませんでした。

 

なぜわかりにくいのかは単純だと思います。

音は目に見えないもので違いがわかりにくいからです

プロや熱心な音楽愛好家ならば違いがわかるのかもしれませんが、

一般の人にはわかりづらいものです。

 

年始のTV特番で芸能人が億単位の高級楽器と安い初心者用の楽器の音を聴き分けられないのを見たことありませんか?

 

つまりはそうゆうことなんです。

「広音域の音を収録できるので音の奥域や演奏者の息づかい、ライブ感が音源で楽しめる!」と言われてもその良さがわかりづらいんです。

ハイレゾから見るお客さん視点って?

もし僕が企画を考えるならば、

利益を上げるためにiPodの戦略のように小型化やシャッフルのような便利な機能の追加、シーンに合わせて特化させるなど、ユーザーの満足度が上がりやすい方向で検討しますし、

新しいことに挑戦するにしても、もっと潜在的なニーズがあるものを探します。

 

それは鉄則として、

「売りたい商品を売るから売れない」

「欲しいものを売れば、売れないはずがない」

と思っているからです。

 

ハイレゾの場合は、新しいことに挑戦する!という社内の方針があったようです。

しかし、結果だけを見れば「売りたい商品を売ったから」ビジネスとして失敗したのだと思います。

 

これって本当にシンプルで、

“お客さんが実際に商品を手に取るところをどれだけイメージ”できたが“

これだけなんです。

 

求められなければ、価値は生まれない

このように新しい企画や商品を考える時は実際にお客さんが手に取ることをイメージし、ニーズと商品の整合性が取れているか考えることが必須です。

商品が普及していくイメージも同様に持っていた方がいいです。

 

特に個人起業家や中小企業など小規模の方はこれをしないで、

お金をバンバン投入して力を入れると痛い目にあう可能性があります。

 

ソニーの場合は大手企業で影響力や基礎体力、知名度が高いので、

普及までと行かずとも一定の結果を得ることはできましたが、

小規模の個人や企業の場合はそうはいきません。

 

どんな凄い技術だとしてもビジネスとしては、

「求められなければ、価値は生まれない」ということです。

 

だから、成功させるためにも、リスクヘッジの観点からも、

お客さんが実際に商品を手に取るところをイメージすることを常に意識しなければいけないと強く思います。

 

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